ジュールさんとの白い一日
どんどん日が短くなり。
僕の読書の場所である、台所の小さな椅子で過ごす時間が
長くなってきました。
目には悪いのはわかっていても、薄暗い裸電球の下で本を
読むのが一番好きなんだよね。集中できるのかなあ。
明るいところでは、どうしても本が読めない・・・。うーん。
そんなド乱視の僕が、最近読んで「はーーー。」
うっとりした本が、『ジュールさんとの白い一日』
好きなんですよね。静かな小説。
雪の降る音しかしないような。
雪の白。自閉症の少年の白い表情。死んだ夫の白い身体。
夫を亡くしてこころが白くなっていく妻。
白い世界。
あとがきは、小児科医だったんですが。タイトルが
漂白された視点のもつ不思議な暖かさ・・・という。
自閉症の少年ダビットのことでしょうね。
朝食のとき、目の前にいる夫ジュールさんが突然なくなり。
動揺しまくる妻アリス。
そこに登場する、ダビット。
ダビットは、亡くなったジュールさんをみても驚かない。
それは、自閉症のひとがもつ、漂白された視点でみてるから。
そんなダビットと、ともに一日を過ごすなかで、
アリスの凍り付いたこころも、やさしくなって溶けてゆく。
読み終わった僕のこころも、漂白されていくような気がした。
いろんな人間関係やら、流れてくる情報のおおさに疲れたとき。
この、『ジュールさんとの白い一日』をぜひ手にとってみてください。
薄い本なので、すぐに読み終わります。本を閉じて。
エゴン・シーレの表紙の絵をじっと眺めていると、きっと白い一日を
共有した静かな感動が満ちあふれてくるに違いないです。






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